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BRIDGESTONE BELT DRIVE HISTORY ENGINEER INTERVIEW #01

ベルトドライブへの挑戦は、ここから始まった。

設計部“フローティングベルトドライブ”設計担当:田中 満男

−80年ごろにブリヂストンのベルトドライブの歴史が始まるわけですが、開発のきっかけは?
金属製のチェーンはオイルを注さないと劣化したり、外れることがあったり、触ると手が汚れてしまったりと、不便な点もあるわけです。そこをなんとか解決出来ないかと。それでベルトドライブに取り組むことになったんです。
−それで現在もアルベルトなどに搭載されているフローティングベルトドライブが出来たんですね?

 ※アルベルト(2000年)

そうですね。当時のベルトはチェーンに比べると柔らかく、チカラが加わると少し伸びるんでテンションを掛ける必要があったんですが、それをどう掛けるかというところから始まりました。まず開発部がイメージを持って来て、設計の方で検証をして、という具合に進めていきました。もうひとつ、ベルトの上下にプーリーのようなテンショナーをつけて、ローラーが動くことでテンションを掛ける方式も検討されましたが、最初はこのフローティング式で行くことになりました。

あのー、ベルトが飛ばないためにはですね、ただ掛けただけでは、まあ昔の技術で言ってしまうと、ベルトが飛んでしまうと、そういう様なことがありまして。こういうようなことで、少し遊びを付けることによってギアクランクでこう踏みますとプーリーが前に行くような力が働くと。そうすると、自動的にベルトが張るというような構造になっている。

で、まあ、これが遊びを付ける事によって、それで、ペダリングがソフトになると、いうような効果もあります。

−この内部の歯数の決め方というのは、漕いだ時の感覚なんでしょうか?
歯が飛ぶか飛ばないかということですね。内側と外側の差が大きいほど飛ばなくなりますが、そこだけ追求すると外側が大きくなりすぎたり、ということで、兼ね合いで決めました。こういう物は、実際に乗ってみないと分からないもんですから。森林公園とかで走って検討したこともあります。
−そこからはどのように開発が進んだんですか?
自転車として出せるまでに2年かかって、それは1500台つくって、まずテスト販売しました。販売期間は2〜3年で、その間に上がって来た情報に対応してフィードバックしてつくりあげていきました。それから市場調査などして、アンケートで需要がありそうだということで1984年のベルレックスの発売に至ります。
−開発での裏話は、何かありますか?

開発初期の問題点として大きかったのが、中の歯の摩耗ですね。歯がすり減っちゃって滑って動かなくなってしまうことがある。それは、例えば砂が付くというような事がありまして、その砂がこの中にある線を攻撃するというような事がありましたので、そこに帆布を入れたりとかですね、と言う事もありました。

あと材料についても、ウレタン、まあこれはウレタンなんですけどもこの他にゴムとかですね、あと心体についても、ケブラー、それから鉄とかですね。そういう物がありまして、最終的にはウレタンのケブラー繊維で、というような高トルクタイプのベルトを使うというような事になりました。

−耐久性はどのように想定しているのでしょうか?
平均的に3年間は(ベルトの)メンテナンスなしでスムーズに走れるイメージです。
−そのほか、どのようなところが進化して来たんでしょうか?

 

それはもう、いたるところです。例えば、中に水が入らないようにOリングを入れて工夫したりとか。キャップの材質とかも最初は中を見せたくてナイロン系で透明なものだったんですが、今は耐久性を上げるために色素を入れて樹脂にして、とか、

※キャップのいろいろ
−モノづくりの姿勢について、教えてください。
そうですね。市場から色々な情報がありまして。それの情報を踏まえてどんどん改良して行くと、その改良がないと,製品というのは陳腐化して消えて行ってしまうと。そういうような事がまあ、今までの経験の中で強く感じていますね。
−最初から開発に携わったベルトドライブが、構造はほとんど変わらないまま30年もの歴史を積み重ねて来て、これからも進化しながら、その歴史が続いていく。ベルトドライブのポテンシャルの高さを感じます。

今日は有り難うございました。