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BRIDGESTONE BELT DRIVE HISTORY ENGINEER INTERVIEW #02

ベルトドライブは、走る楽しさを身につけた。

開発部“スマートベルトドライブ”開発担当:武田 靖正

−“スマートベルトドライブ”の開発のキッカケは?
まずは自転車として、楽に進みたいっていう所なんですけれども。楽にというと、一漕ぎでちょっと早く進めるという所、要素を織り込みたいなというところで、フローティングとは違う、ちょっと何か加えたいなという思いで開発を始めました。
−実際の開発はどのように進められたのですか?

 ※スマートベルトドライブの構造

ベルトは、簡単に言っちゃうと伸びたり、余ったりという所があるんで。それを、どのようにコントロールして、楽に進める、体感していただくというメカニズムを作るかという所がポイントだったんです。
それで楕円ギアです。人の、踏み込む所はだいたい、位相っていうか場所が決まっているんで、その時にちょっとベルトのその張り具合をコントロールしてあげるっていうのが、あの、楕円のプーリーを用いるという所になっていて。
もう一つはクランクの動きとは関係なく、勝手にコントロールして欲しいなっていう事で、あの、ベルトの上と下にV字テンショナーをつけて。巡行の時はこの楕円の所で、踏むとベルトをちょっとコントロールして、もっと人が踏んだときは、これ(V字テンショナー)がさらに動いて、っていうカタチです。

−開発で苦労された点は、どのようなところでしょう
人間の踏むところは、大体位相が同じと言ったんですけれど、あの、やはり人間が乗るものなので、データどおりに作っても、フィーリングとしてしっくり来ないことがあるんですね。そこで楕円の形状やV字の大きさを調整しながら、何度も試作したんです。それで自分でベストと思うところが出てくるまで、試乗を繰り返しました。ようやく自信があるものができて、先輩に試乗してもらった時に「お前、ギア比変えただろ!」と。その時は正直嬉しかったですね。フローティングベルトと同じベルトの素材でも、スポーティな走りを体験していただけると思った瞬間でした。
−車種展開としては、どんな展開になりましたか?
通勤用の「ビレッタコンフォート」、クロスバイクの「オルディナ」、走る楽しさを追求したスポーツモデルの「アビオス」という車種にも搭載されましたね。

 

 

 

※左から「ビレッタコンフォート」「オルディナ」「アビオス」
−ピュアスポーツの方には、行ってないですね。
そうですね。ベルトドライブはまず、メンテナンスフリー。チェーンはオイルを注さなくてはいけませんし、使っているうちに伸びて外れやすくなる。そこをクリアするところから始まっていますから。さらにベルトですからある程度の幅が必要で、そうなるとチェーンのように外装式の変速機は使えない。それでも、ベルトドライブ方式のメンテナンス性に快適性と効率を上げていって、もっと早く気持ちよくと思うから、素材の進化も見ながら試行錯誤を繰り返していくような感じでしょうか。
−快適性と効率を上げるというのは、何を考えていくことなんでしょう?
スマートベルトドライブで言えば、踏み込んだ時に伸びるっていうのを無しにする。じゃあ最初から張っちゃえばいいじゃないかって思いますが、張っちゃうと今度は回すこと自体が重くなってしまいます。ですから、だんだんトルクが掛かって、伸びてきたらそれなりのテンションを掛け、その調整するところでレスポンスを上げていくってことですかね。
−ベルトドライブ以外の駆動方式での挑戦は?
具体的にはシャフトドライブとか。チェーンですと、特殊な表面処理をほどこして、もうちょっとメンテフリーにするとか、効率をあげるとか。そういった手段はありましたけれども、やっぱり重量の面とかメンテの面っていう事で、ベルトで進めました。
−実用車としてのベルトドライブに、さらに乗る楽しさを加えようと、チャレンジを繰り返す。そして完成度を上げ、新しい自転車をつくりあげていく。その姿勢に、ブリヂストンのクラフトマンシップを感じました。

今日は有り難うございました。